第139章 ダイヤの心

有岡里穂は完全に固まった。頭の中が真っ白になり、「お誕生日おめでとう」という言葉だけが、脳内で際限なく拡大していく。

――忘れていた。今日は、自分の誕生日だ。

「やるじゃないの、あんた。やっと気が利くようになったのね」

阿部裕子はダイヤのネックレスを見た瞬間、ぱっと顔をほころばせた。

この子、ようやく融通が利くようになったじゃない。頭の中、ちゃんと詰まってたのね。

有岡里穂は我に返り、彼の手からネックレスを受け取った。喉が小さく上下する。

「ありがとう。でも……これ、すごく高そう」

阿部蓮太郎は唇を引き結び、さらりと言った。

「慈善活動の景品」

慈善活動?

有岡里穂の脳裏...

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